各国の言語事情リスト

ウクライナ編(2008年8月ウクライナ訪問・滞在日数12日)

ウクライナ語は、ロシア語と同じ
キリル文字を使っているので、
ロシア語の方言に近いものかと
思っていました。

失礼にもウクライナ人にそのことを聞いてみると
ロシア語とは全くの別言語だ
という答えが返ってきました。

ウクライナ語は、ロシア語の流入で
消失の危機にあったのが、
(今では観光名所のチェルノブイリ)

詩人であり画家であったタラス・シェフチェンコ(1814/3/9 - 1861/3/10 )の
ウクライナ語による詩が、ウクライナ語の美しさをウクライナ人に認識させ、
ウクライナ語の復活につながったのだそうです。
シェフチェンコは、帝政ロシア後期の人ですが、今も多くウクライナ人の敬愛を集めています。

ソ連崩壊後、ウクライナはロシアから独立しましたが、
今も多くのロシア人が住んでいるため、民族紛争とまでは行かなくても、
とても難しい状況にあります。
ユーシェンコ大統領は、ロシアと縁を切って、NATOに加入し、ユーロを通貨にする方針を
打ち出していますが、ロシアの傘下でやって行くことを望むロシア系ウクライナ人も多くて
難しい舵取りになっています。

私は、ロシア語もウクライナ語も、数語知っているのですが、
街中を耳をすまして歩いていると、どちらも聞こえてきます。
船着場で、手作りのエプロンを売っていた年配の女性に、
ウクライナ語で「ありがとう。」と言うと、
「私はロシア人なのだから、ロシア語で挨拶して下さい。」と
かなり厳しい口調で英語で言われてしまいました。

国際情勢も難しい局面にあり、今後ウクライナはどうなって行くのでしょうか。
民族問題はロシア人とウクライナ人間だけではなく、
第二次世界大戦中、ナチに加担したと濡れ衣を着せられてウクライナから追放された
タタール人の帰国問題などもあり、多民族国家の難しさは計り知れません。



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