壁紙は、士清旧宅の障子です。
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代表的なをご紹介します。
初版だそうです。
タイトル
士清旧宅に保存してあります。

ちょっと見には、活用表に見えませんね。
士清の旧宅に入ると、壁に左の表が出ています。
最初、和訓の栞の50音表かと思ったのですが、
そうではなくて、日本書紀通証の第一巻付録の
『和語通音』で、我が国最初の『動詞活用表』だと
説明がありました。
今でいう五段活用動詞なのですね。
古文の動詞活用表を見ると、4段活用となっていて
例えば『書く』は以下の様活用し、『こ』がありません。
未然 連用 終止 連体 已然 命令
また終止形は、『ウ ク ス ツ ヌ フ ム ユ ル ウ』全てが
あったのですね。加えて『グ ブ』もありました。
古文
現代文 * * *
一口に古文と言っても、時代により違いがあるのですが。
ここでもう一つ興味を惹かれることは、オとヲが、現代の50音表とは、逆になっていること。
鎌倉時代から習慣は、左記の表のようであったのが、現在のような配列になったのは、
宣長が訂正したからだそうです。

因みに日本書紀通証は、日本書紀が理解しやすいように説明書きを加えたもので、
研究に20年以上かかったのだそうです。




タイトル
全巻は揃っていないそうです。
頁の部分です。
和訓の栞は、図書館で見たことがあります。何冊もずらーっと並んでいました。
和訓の栞は、日本初のあいうえお順に並べられた国語辞書で、2万1千語という膨大な
語彙数は、当時の他の辞書類の追随を許さなかったようです。
士清自身、医者であり、博物学者であり、儒学者であり、神学者だったので
その豊富な知識から、これだけの語彙数になったとのこと。
上の画像は、初版本だそうですが、士清旧宅に、全巻は揃っていないそうです。
版木を彫って印刷するのは、大変手間です。
士清が亡くなってから、家族が出版に情熱をかけ、完成したのは士清没後100年を経た
明治20年で、出版に費用がかかるので、津市八丁にある家も
人手に渡すことになりました。

それにしても素晴らしい業績ですよね。


その他の業績
鋸屑譚 当時のノートのひとつで古語の出典等を収めています。
延享5(1748)年に巻1完稿。
勾玉考 勾玉について書いた今の考古学的な著作です。
安永3(1774)年に出版。
恵露草 有栖川宮職仁親王に入門した後、親王に添削された
自作の歌をまとめた歌集です。
読大日本史私記 水戸徳川家編纂の『大日本史』を読んで、その誤りを一つ一つ
指摘した痛烈な文体の書です。
歴史散歩ガイドN国指定史跡 谷川士清旧宅 より転載)

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