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 発音関連 (5)
60代男性
 
50
謝罪の言葉に
すみません と すいません が二通り使われるとがある
を最近知った60歳代前半の男性です.

「すいません」が「すみません/済みません」の代用とはネットで知り
驚きました.
すいません<− 吸いません
すみません<−済みません

すいません と謝罪するとしても一体漢字で表せばどうなるのか
考えているのでしょうか.
すいません は奇異に感じます.
漢字に該当するものが無いにも関わらず発音/発言して使用するのは
日本語の軽率な用法と言いたい.
sumimasen → m が抜けて suimasen だと思います。
こういうことは、良くあることで、「すみません。」に限ったことではありません。
人間は横着にできているので、簡単にできることはなるべく手抜きしようとします。
唇等の動きもその例外ではないということです。

tabesaserareru → er が抜けて tabesasareru
『食べさせられる』『食べさされる』は、『食べる』の使役受身形の長形、短形として
両方とも日本語教育の世界では認知されているようです。

私自身は、「すみません。」の方が「すいません。」より
美しい響きに感じられるので「すみません。」を使いますが、
「すいません。」を使う人も、まぁ、それはそれで良いのではないかと思っています。

今後、どんどん「すいません。」を使う人が増えるでしょうね。

水  野
 
49
最近の本で「散るぞ悲しき」(硫黄島で戦死した栗林中将の記録)を
音訳ボランティアで読んだ時、[悲しき]のアクセントが問題になりました。
かナしき(ナにアクセント)と読みましたが、かナシキ(ナシキにアクセント)
つまり、平板式の読み方をすべきでないかと指摘されました。

私共の音訳グループでは、NHKの『アクセント辞典』と、三省堂の
『アクセント辞典』の両方を参考にしております。
三省堂の辞典(2004-10-20 第8刷)の付録56ページには






と載っています。
しかし、これは生活習慣的なアクセントとは異なっており、しっくり来ません。
普段の生活では、







と言っております。

「悲しき」が「悲し」の連体形であるならば、かナシキ口笛のように
平板式に読むべきだと思いますが、「悲しき」と言い終っているので、
連体形とは違う様に思います。

「悲し」という文語の形容詞に対して、「悲しき」と言い切る場合の「き」は
「強調の語尾」?「断定の助詞」?「悲しの連体形止め」?
それとも他の品詞でしょうか?

「悲しき」と言いきる場合は、
「悲しきかな」「悲しいなあ」という意味に取れます。
従って「悲し」の連体形ではないように思います。
同じ事が「美しき」などについても言えると思います。
「悲しき」「美しき」と言い切る場合の「き」について、
品詞とアクセントを教えて頂きたく思います。
私は、関東に住んで長いので、普段東京方言というか関東方言を使っています。
周囲の人は、私が近畿で子供時代を過ごしたとは気がつかないようですが、
時々、高低アクセントがおかしいと言われることがあります。
最近では、九九。
私は、[低高]で発音していましたが、関東では[高低]なんだそうですね。
私は方言が大好きで、自分の持っている方言、アクセント等を
大切にしたいと思っているのですが、
日本語を教える立場では、時々NHKのアクセント辞典を見たりもします。

高低アクセントは、地方によって逆転することもあるほど違いがありますし、
正しいとか正しくないとかの問題ではないので、
基準になるアクセント辞典を決めて、それに従うしかないですね。
因みに、私は次のように発音します。





















私は、連体止めの場合も、後に体言がつく場合も、高低アクセントが変わりません。
同じ近畿出身の人に聞いてみたところ、同じアクセントでした。
ですから、このアクセントは近畿地方に多いものかもしれません。

古文が苦手な私ですので、苦しい回答になりますが、
お示しの例は、形容詞を連体形で止めることによって、余韻を残しているんだと思います。
『悲し』『美し』は形容詞の語幹、『き』は連体形を作る『語尾』で、
『悲しき』『美しき』全体で、形容詞の連体形だと今まで思ってきました。

言語は奥が深く、知らないこと、分からないことが多すぎると改めて思いました。

ヤコピさんからご意見をいただきました。
・「悲しき」について
「散るぞ悲しき」は係り結びです。
「ぞ」は係助詞なので、文末の形容詞「悲し」は、
連体形「悲しき」になります。
一般的に、係助詞「ぞ」「なむ」「か」「や」があると、文末は連体形、
「こそ」があると文末は已然形で結ぶことになります。
ちなみに、よく出される問題で、「逢はむとぞ思ふ」の「思ふ」は何形か
というのがあります。
「ぞ」に気付かないと終止形と考えがちですが、正解は連体形です。

・アクセントについて
日本語のアクセントは単語自体にもありますが、それが唯一固定ではなく、
前後関係や文全体の意味で変化します。
というより、日本語は、話者がアクセントを変化させることを
表現技法の一つとして容認、あるいは積極的に利用しているとも言えます。
その一例として、複数の単語を結合させ、中間部に高のアクセントを
置くことで、意味の関連を意識させるというものがあります。
例えば、青森は 低高低低
あおもり
ですが、
青森県と言う場合は、これで一つのまとまりなので、
低高高高低低
あおもりけん
のように、中間部が高となります。同様に
低高高高高高高低低
あおもりけんぎかい
低高高高高高高高高高低低
あおもりけんぎかいぎいん
低高高高高高高高高高高高高低低低
あおもりけんぎかいぎいんかいかん
低高高高高高高高高高高高高高高高高低
あおもりけんぎかいぎいんかいかんまえ
のように、中間部を高とすることで、全体の結合を表現します。
一般的に、歌、映画、本等のタイトルにはこのパターンが多く見られ、
低高高高高高高
ほたるのひかり
低高高高高高高低
あおげばとうとし
低高高高高高
かなしき口笛
低高高高低低
ふゆのソナタ
低高高高高低低
きたのくにから
低高高高高高
すなのうつわ
等のように、会話とはまた別のアクセントを持たせることで、
それがタイトルであることを表現します。
ご質問の「散るぞ悲しき」は、本文の朗読ならば、
矢弾尽き果て 低高低低高高低
ちるぞかなしき
が普通ですが、本のタイトルとして発音する場合は、
低高高高高高低
ちるぞかなしき
も可だと思います。

KOJI
 本
48
僕の名前「光治」は、KOJIと表記していますが、
振り仮名表記は「こうじ」で、発音 は「こおじ」です。
たとえば学校は「がっこう」とかきますが発音は「がっこお」に近いですよね。
このあたりが、すっきりしないのですがーー。
『光冶』を平仮名で書くと『こうじ』となり[こおじ]と発音します。
『学校』も平仮名で書くと『がっこう』となり[がっこお]と発音します。

昭和61年に『現代仮名遣い』という『内閣告示』が出ていて、次のようになっています。
オ列の長音
  オ列の仮名に『う』を添える。

日本語を学んでいる人にとって難しいのは、
オ列の長音で、大きい(おおきい)、狼(おおかみ)、公(おおやけ)等があることです。
これは、歴史的仮名遣いで『ほ』と表記したものを、
現代仮名遣いでは『お』と表記するようになったからです。
(これも同じく『内閣告示』にあります。)

『こおじ』『がっこお』と発音どおりに表記すれば、
日本語を学習している人の負担は軽減されると、いつも思います。
日本語の伝統を保持するかどうか、という問題になりますがーーー。

ま い
日 本
47
日本語教師をしております。
今まで体系的な発音指導はしたことがなかったのですが、
今回初めてやってみて 「来て」のアクセントで引っかかってしまいました。

アクセント辞典などをみると、
「き」が高く「て」が低いということになっていますが、
同じ高低型の「見て」と比べると明らかに違うように思うのです。

私は東京出身ですが、私自身も周りの多くの人も
「来て」の場合は 高低の差をあまりはっきり発音していないのです。
(もちろん低高型の「着て」とも違います。)
教材などで録音されたものも聞いてみましたが、やはり同じです。
私なりの解釈では、「き」は[i]が無声化するため、
「見る」の「み」のようには 高くならないのではないか
という結論に達したのですが、
ご意見をお聞きしたく よろしくお願いします。
私は、今は関東に定着していますが、とにかくよく引越ししました。
今でも時々「関東の高低アクセントはこうなのよ。」と指摘を受けることがあります。
私にとって、『来て』『見て』の高低アクセントは同じです。
また、ご指摘の件に関しては、今まで全く気が付きませんでした。

『き』の[ i ]が無声化するので高くならないのか、
無声化しているので聞き取りにくい結果そう聞こえるのか、
のどちらかだろう思うのですが、よく分かりません。

これをお読みになった方からのご意見をお待ちしています。

shige-chan
日 本
46
自営業で家庭教師をしています。
両親とも日本人である高1の男子が、
上手に日本語を話せなくて困っています。

例えば「サ」は英語の「th」の発音のように舌をかんでしまうし、
「タ」行の発音も同様です。
お母さんによると「ジャ」行もうまく言えないそうです。

さらに国語力が乏しいため、
順序立てて話をする事ができせんし、助詞もめちゃくちゃです。
彼としては、週に1度私と会った時に学校の話などをしたいみたいで、
いろいろ話しかけてはくれるのですが、発音は悪い、話は支離滅裂で・・・
さらに焦って早口になるため何が言いたいのかわかりません。

毎日できる訓練だとか、
発音に関するお勧めの文献などがありましたらご紹介ください。
私は、身近な日本語ネイティブに、吃音の人はいても発音困難な人はいないので、
驚くとともに、さぞお困りだろうと、お察しいたします。

残念ながら、毎日できる訓練は、この場でとてもお話ししきれません。
外国人で日本語を学習なさっている方への発音指導の技が、
お役に立つかも自信がありません。

ただ言えることは、時間がかかることであり、双方に根気が必要だということです。
そして何より、まず指導する側が、
例えば『サ』という音の正体をしっかり見極めなければなりません。
『サ』と『th』の音は、どこが、どう違うのか、そして、どこが、どう同じなのか
しっかり見極めると道が開けてくるように思います。

口の内部の断面図がついた文献が、お役に立つと思います。
大きな本屋さんにいけば、たくさんありますし、
当サイトのトップページでご紹介している『凡人社』で検索すると
紹介されているはずです。

音声学は、私には難しくて、とても苦労しました。
読みやすい文献をじっくり探してみてください。

猫好き
 
45
現在中3男子でですが、
何故か自分の「き」と「け」の発音がおかしくて、
空気が漏れたような感じがするんです。
自分でも直そうと思いまして思い出すたびに練習してるんです
けど、一度もしっかり発音できた事はありません。
友達にもこれが原因で笑われてばかり・・・
そこで、舌の使い方など教えてもらえればありがたいです。
三 船
 
45
『き』の発音が出来ません。『け』も苦手です。
テレビでも、私と同じように『き』の発音が上手く出来ないタレントさんを
何人か見た事がありますが、生まれつきなのでしょうか?
直す方法はありませんか?
空気が抜けるような音になってしまいます。
『気持ち』など、頭に『き』がついた場合はまだよいのですが、
『電気』など、最後につくと発音出来ません。『電気機器』など、
『き』が続いている言葉は全く発音出来ません。
仕事で人前で喋らなければいけない時、苦痛です。
アドバイス宜しくお願い致します。
『き』と『く』の発音がしにくいというのは、よくある話だというか、
理解できるのですが、『き』と『け』というのは、とちょっと考えてしました。

同じようなメールをあまり期間があかないうちにいただいたので、
ここに私の考えをまとめてみます。

音を発音するとき、喉仏に触っていると、
喉仏が振動するのが有声音、振動しないのが無声音です。

日本語の母音は[a][i ][u][e][o]の五つがあります。
そのうち[i ]と [u]を、『狭母音』と言います。
発音するとき、口のあき方が狭いので、こう呼びます。
母音は五つとも無声音です。
子音は、無声子音と有声子音とあります。

イ行とウ行の音が、語頭に来る場合は問題ないのですが、
語中、語末に来ると、
『音』が消えてしまう(母音の無声化といいます)ことがあります。
もっと詳しく言うと、[i ]と [u]が無声子音に挟まれると、
無声化しやすいということです。
[k]は無声子音の代表的な音です。
電気[denki]や[denkikiki]は、
有声であった母音が無声化しやすい典型的な例です。

この母音の無声化は、
関東地方で生まれ育った多くの人に見られることだそうです。
中村玉緒さんは、語末が無声化しません。
「中村玉緒でございますぅ。」と聞こえますね。

もし、猫好きさんと三船さんの発音しにくいのが『き』と『く』なら、
お二人だけではないので、気になさることはないように思いますが、
いずれにしても、私は専門家ではありませんし、
メールでの回答には限界があります。
どなたか音声学の専門家にご相談なさるのがよいかと思います。

周 太
日 本
44
唇を使う発音、具体的に言うとば行、ぱ行、ま行についてなのですが、
私はどうしてもこれらの発音が上手くできません。
唇が息に負ける感じで、発音が甘くなる感じです。
特に唇を使う発音が連続する時などが大変で
「ぱぱぱぱぱ…」と早く発音することができません。
正しい発音方法と改善方法を教えていただけないでしょうか?
よく分からないのですが、ちょっと思ったことを書いてみます。

私たちが外国語を勉強するとき、発音がなかなかうまくできません。
理由はいろいろあるようですが、そのひとつに、
日本語にない音を発話するための筋肉が
できていないからだということがあります。

今は外国語の発音ではなくて、日本語の両唇音についてのご質問なのですが、
両唇音がうまく発音できないということは、両唇音を発話するための
口の中あるいは口の周辺の筋肉が、育っていないからだと思います。

改善策としては、筋肉を強くすることだと思います。
具体的には、唇を閉じてから『ま』、また唇を閉じて『ま』と
鮮明な発音を何度か繰り返します。
『ま、み、む、め、も』『ば、び、ぶ、べ、ぼ』『ぱ、ぴ、ぷ、ぺ、ぽ』
で繰り返し練習しているうちに、
知らず知らず改善されるのではないかと思います。

小 林
日 本
43
現在、コールセンターに勤めており、電話での応対について勉強したり、
最近、新人さんへ少し教育等もしている事から、
きれいな日本語、話し方に興味を持っています。

さっそく質問なのですが、「施行」の読み方について疑問に思っています。
「施行」は「シコウ」「セコウ」と2つ読み方があり、
私は、「シコウ」と読む方が日常では正しいと思っていました。
でも最近、職場で情報保護法の説明を受けたりする際や
ニュース等でちらっと耳にすると、「セコウ」と読ぶ人のほうが
圧倒的に多いことに気がつきました。
辞書(学研現代新国語辞典)を調べると、
「しこう」・・・ @実際に行うこと。実施。
A発布された法令が実際に有効なものとして用いられること。
「新憲法を−する」【参考】官庁用語では「施行(せこう)」・・・とあり、
「せこう」で辞書を引くと載っていませんでした。
どちらも正しい読み方かとは思うのですが、
私の勤めているコールセンターでは、
お客様対応する際、「今回、4月から情報保護法が施行されたことにより、
ご本人様確認が厳しくなっております」等、
結構この「施行」という言葉を口にするので、
どちらの読み方が、顧客対応の際は適しているのか、
きれいな日本語であるのかと日々疑問に思っております。
もしよろしければアドバイスお願いいたします。
『施行』は、本来は[しこう]だと思います。
漢字で書く場合は、どちらの読み方でも読んだ人の自由ですが、
[しこう]と発音すると、『執行』(しっこう)と紛らわしいので、
官庁では[せこう]と発音するようです。
特に電話は、相手の顔が見えない応答になりますので、
[せこう]の方が、間違いがないように思いますが、どうでしょうか。

神 戸
日 本
42
少し困っているのでお教えください。
ことの発端なのですが・・・ 私は 合唱をやっていまして 昨日のこと
瀧廉太郎の「花」の3番歌詞の中に
  われに物言う 桜木の
というのがあるのですが
みんなが モノユウ  という発音をするので モノイウ だろうと指摘すると
総攻撃を受けたわけです。
私自身は生まれてこの方 言うは  イウ  と発音していたのですが
皆が 言うには  全国的に  ユウ  だというのです。
思うに もともと イウ という発音が 現代に近くなるにつれて
 ユウ になってきたのではないかと思うのですが 確証はありません。
古語辞典では 言ふ  の発音は イウ になっています。
関西人は間違いなく  ユウ  になるのですが
全国的に ユウ  なのかどうか
表記は 「現代仮名遣い」(昭和61年内閣告示) で
いう と書くと決められています。
実際の発音は何が正しいのでしょう
どちらで発音しても、別に問題ないというか、個人の自由だとは思うのですが、
私自身は、現代では『いう』と書いて[yuu]と発音すると、どこかで習った記憶があります。
(義務教育でだったかという気がしていますが、定かではありません。)

で、[yuu]という発音は、全国区だと私も思っています。

しかし、人間思い込みって多々あるもの。
『垣に赤い花咲くーーー』を、『柿に赤い花咲くーーー』だと
私はいつの頃までか、思い込んでいました。

神戸さんからコメントをいただきました。
あれから群馬県生まれの銀行マンに聞いてみました
言う  は  iu  と発音する と明確に答えてくれました
昨日 日本放送のアナウンサー(今はデスク) に確認したところ
iu と 発音すると 断言しました。
彼の説も 私と同じで 本来  iu  であったものが
くだけて yu になったのではないかということです
彼は 沼津生まれで アナウンサーの勉強、就職は 東京です。
私は 奈良県生まれですが 小学校1年から4年まで4年間
茨城県にすんでいたため
関東のことばの影響を色濃く受けています
間違いなく  iu  です。

山元さんからコメントをいただきました。
明鏡国語辞典(北原保雄編・大修館書店)に
「言う」の発音は「ユー」だと出ていました。

日本語調査結果(128)]もご覧下さい。

もじゅ〜ん
日 本
41
「ふ」の発音については既に述べられていますが、
唇の開閉の点から質問させて下さい。
ハ行の音はヘボン式で書くとha・hi・fu・he・hoとフだけfなんですが、
僕は普段「フ」を発音するときに
ファ・フィ・フェ・フォの時のように唇を閉じて発音せず、
終始(?)唇を開けたまま[hu]と発音しているような気がするんです。
一般的 には皆さん、[fu]の方で発音していらっしゃるんでしょうか?
もし一般的にも[hu]の 発音の方が主流だとしたら、
なぜヘボン式では「fu」という表記になったんでしょう か?
(これに関しては、結局は「ローマ字表記と発音は、
『必ずしも同じでない』どころか、
ほとんどが『似て非なるもの』だと思っています。」
ということになってしまうかもしれませんが)
外国語で、自分の母語にない、あるいはちょっと違う音を聞いたとき、聞き違えたり、
自分の母語にある一番近い音で発音してしまったりすることは、よくあることだと思います。
ヘボン(ジェームズ・カーティス・へプバーン)が、日本語の音を聞いたとき、
日本人が[ふ]と発音しているのに、彼の耳には[fu]と聞こえたということだと思います。
彼の名前の[へプバーン]も日本人の耳には[ヘボン]と聞こえました。

いずれにしても、日本語をローマ字表記してしまうと、
ヘボン式にしても訓令式にしても、本来の日本語の発音とは違ってしまいます。

私は、ローマ字表記での日本語指導は、できるなら避けた方が良いと考えています。

rimseさんからコメントをいただきました。
日本語の「フ」の子音(f)は「ハ」の子音(h)と異なります。
大まかに説明するならこんな感じでしょうか。

h…息の流れを妨げずに吐いたときの音
日本語のf…息の流れを唇によって妨げて出す音
英語のf…息の流れを歯によって妨げて出す音

なぜ「フ」と「ハ」は子音が異なるのか、
それは日本語が母音をはっきり発音する言語であることに原因があると思います。
「ア」は口を大きく開け、「イ」は口を横に開き、「ウ」は口を小さく閉じ、
……というように各母音によって口の形が大きく異なります。
日本語の「ウ」は口を小さく閉じて発音するので
結果的に息の流れを唇によって妨げることになってしまいます。
だから「フ」の子音はhにならずにfになるのです。

ちなみに「ヒ」の子音も同様の理由からhではありません。

「フ」をhuと発音するという方もいらっしゃるようですが、
これは母音をはっきり発音していないことが原因と思われます。

一方で英語はどうかというと、日本語ほど母音をはっきり発音しない傾向が強いようで、
iが「エ」のように聴こえたりuが「オ」に聴こえたりすることがあります。



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