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助詞関連(16)
新田 富子
日 本
160
ドイツ人の友達にコスモスの花の写真を送ってあげたところ、
彼からの返事で「ドイツでは、その花は7月から10月まで庭で咲きます」
と書かれた メールを受け取りました。
文法的なことは良く解らないのですが、
この場合「7月から10月まで庭に咲きます」 の文章のほうが
良いような気がします。
この場合の「に」と「で」の違いについて教えていただけないでしょうか。
『場所+で』+動作動詞
『場所+に』+状態動詞 という規則があります。
『咲く』は、動作動詞ですから、『庭で咲く』は、おかしくないと思います。
『で』を使った場合、他の場所ではなく『庭で』という意味合いになります。

でも、私は好みで言うと『庭に咲く』が好きです。
この場合の『に』ですが、『今までなかったところに何かができる』 という意味になります。
例: 目尻に小じわができた。
山田さんに赤ちゃんが産まれた。
『に』を使っても『で』を使ってもOKだと思いますが、 意味合いには微妙に違いがあるでしょう。
しかし、実際には区別しないで使われているように思います。

宮山 繁
日 本
159
中国人に日本語の個人教授をしています。
先日、超初心者の1人から以下のような質問を受け答に窮してしまい、
私の宿題ということにしました。

[問い]
@窓が開いていますから、閉めて下さい。  
Aこのファックスは故障していますから、あちらのを使って下さい。

これらは何れも「主語+〜ですから+〜して下さい」の構文なのに、
なぜ@の主語は「が」で、Aの主語は「は」なのか。

このサイトの「日本語Q&Aコーナー」では、
「が」の文章では大切なことは「が」の前にくる、
「は」の文章では大切なことは「は」の後にくる、と解説されています。
この考え方に従うと、
@の文章では、「開いているのは他のものではなく窓である。
だから大切なのは窓だ」ということになりますが、
もう一つの考え方として、
「閉めてくれと頼んだのは、開いているからだ。だから、
大切なのは『開いているという事実』だ。」とも言えそうに思えるのですが、
私の考え方、間違っているでしょうか。
『が』は新情報に、『は』は旧情報に使うという説明をなさる方があります。
この新情報、旧情報という考え方は、
宮川さんご指摘の『日本語Q&Aコーナー』で述べたことと、中身は同じです。
私は、状況により説明しやすい方で説明しています。
こちらの方が分かり良いかもしれませんので、こちらでもお考えになってください。

まず@ですが、
『窓』は、初めて話題に出てきたこと、つまり新情報だから『が』を使う、
と説明なさってはどうでしょうか。
次にAですが、
この『は』は、対比の『は』です。
例:「英語は話せますが、ドイツ語は話せません。」
「このファックスは故障していますが、あちらのファックスは故障していません。
ですから、あちらのを使って下さい。」ということだと思います。
Kenjiさんから、ご意見をいただきました。
見方が違うので、書いてみます。
1)窓が開いていますから、閉めて下さい。
この「が」は 「ほら、桜が あんなに きれいに 咲いているよ」の「が」で はないでしょうか。
「昔々、あるところに。。。。」の「が」とはちがうよ うに思えます。
2)このファックスは故障していますから、あちらのを使って下さい。
この「は」は 普通の(主題の)「は」では ないでしょうか。

A「すみません、そのファックスを 貸してください」
B「あいにく このファックスは故障しています」(THIS fax is out of order.)

質問者の例文は、こういう状況下での発話の文章だと思います。
対比 しなくても、自然な会話です。それと、対比の「は」は「が」とおきかえができますが、
質問者の例文では、置き換えができません。

よしあしさんから、ご意見をいただきました。
文例@ 「窓が開いていますから、閉めて下さい」

A 何が開いているのかが問題になっていれば、「窓が」を使うのが妥当です。
たとえば、
「ドアは閉まっていましたよ。何が(または何かが)開いているんですか ね」と言われて、
「窓が開いていますから、閉めて下さい」と言う場合が考えられます。

B 何が開いているのかが問題になっていなくて、
「窓」が主題もしくは対比として 受け入れられない場合、「窓、」を使うのが妥当です。
たとえば、
教室に入ってきた教授が窓の開いていることに気がついて、
学生に「窓、 開いていますから、閉めて下さい」と言う場合が一応考えられます。

しかし、この状況では、「窓が開いていますから、閉めて下さい」も使えます。
とい うより、この方が普通です。
「窓が」でも、何が開いているのかが問題になっている ようには聞こえないからです。

なお、もし、単なる「窓」ではなく「あの窓」であったら、
「あの窓が開いています から、閉めてください」は使えません。
何が開いているのかが問題になっているよう に聞こえるからです。
「あの窓、開いているから、閉めてください」を使うのが妥当 です。

C 何が開いているのかが問題になっていなくて、「窓」が主題もしくは対比とし
受け入れられる場合、「窓は」を使うのが妥当です。

たとえば、
主題の例としては、「窓は閉まっていますよね」と言われて、
「窓は開い ていますから、閉めて下さい」という場合が考えられます。
また、対比の例として は、「ドアは閉まっていましたよ」と言われて、
「窓は開いていますから、閉めて下 さい」と言う場合が考えられます。

文例A 「このファックスは故障していますから、あちらのを使って下さい」

A どのファックスが故障しているのかが問題になっていれば、
「このファックス が」を使うのが妥当です。

たとえば、
「故障しているファックスがあるらしいんだけど、
このファックス、使え るかな?」と言われて、
「このファックスが故障していますから、あちらのを使って ください」
という場合が考えられます。

B どのファックスが故障しているのかが問題になっていなくて、
「このファックス」が主題もしくは対比として受け入れられない場合、
「このファックス、」を使うのが妥当です、と言えるかどうか吟味します。

たとえば、
「ファックスしたいんだけど、どれ使えばいい?」と言われて、
「この ファックス、故障していますから、あちらのを使ってください」
という場合が一応考 えられます。

しかし、「このファックス」という言葉はファックスの近くで言う言葉であり、
事前 に共通意識にのぼることで「主題」として受け入れられる状況なので、
「このファッ クスは故障していますから、あちらのを使ってください」も使えます。
というより、 このほうが普通です。
この文例の場合、Bの使い方は無いと考えられます。

C どのファックスが故障しているのかが問題になっていなくて、
「このファック ス」が主題もしくは対比として受け入れられる場合、
「このファックスは」を使うの が妥当です。

たとえば、
主題の例としては、「このファックスを使いたいのですが、よろしいで しょうか」と言われて、
「このファックスは故障していますから、あちらのを使って 下さい」という場合とか、
ファックス機に「故障しているので、あちらのを使っても らいたい」
旨の張り紙をする場合が考えられます。

また、対比の例としては、
「あのファックスは調子いいんだけど、いつも誰かが使っ てるんだよね」と言われて、
「(でも、)このファックスは故障していますから、
あちらのを使って下さい」という場合が考えられます。

全体の結論として、文例@の場合は「窓が」が使われる状況が多くて普通であり、
文例Aの場合は「このファックスは」が使われる状況が多くて普通
ということになるの ではないでしょうか。

なお、「は」と「、」と「が」の使い分けを一般化すれば、下記のようになると思い ます。
話し手と聞き手の間で、事前に、ある物事が共通意識にのぼっている状況であれば
主 題として受け入れられ、また、連想される状況であれば対比として受け入れられる。

A 何がそうなのかが問題になっていれば、「ある物事が」を使うのが妥当である。

B 何がそうなのかが問題になっていなくて、
ある物事が主題もしくは対比として受 け入れられない場合、
「ある物事、」を使うのが妥当である。

C 何がそうなのかが問題になっていなくて、
ある物事が主題もしくは対比として受 け入れられる場合、
「ある物事は」を使うのが妥当である。

raki
日 本
158
「2度とは戻らない」と「2度と戻らない」
つまり「とは」と「と」の違いは何でしょうか。
「には」と「に」の違いのページは参照しましたが、 よくわかりません。
私は「とは」の方は主語がより強調されるのではないか と考えていますが、
上手くせつめいができません。 よろしくお願い致します。
この場合の『は』は、『2度と』を取り立てて 強調しているのだと思います。

中 国
日本語歴:8年
157
「本の中で悩んでいる主人公は私よりも10センチ高いのよ」
の中の「で」の意味なんですが、
ここの「で」は動作の場所を表すと言われたが、
しかし、「悩む」は動作動詞ではなくて、状態動詞でしょう。
ここの「で」はいったい何を表すのでしょうか、ぜひ教えてください。
例えば、「公園で遊ぶ。」の『で』は、動作の場所を表していて、 『公園』は具体的な場所です。
「本の中で悩んでいる。」ですが、『本の中』は、具体的な場所ではありません。
つまり、
「本の中に主人公が悩んでいると書いてあるけれど、その主人公は私よりも10センチ高いのよ。」
という意味かと思います。
それで、私はこの『で』の用法を『範囲の限定』だとしています。

章子ウッズ
日 本
156
”人口増加に警鐘を鳴らす”と通常助詞の”に”が使われると思いますが、
”人口問題の警鐘を鳴らす”とも言えるでしょうか?
違いは何でしょうか。

私の考えでは、この場合の格助詞の「に」は動作の対象、
例えば「仕事に集中する」のように使われると思います。
「に対して」「に関して」と同様の意味で例文であれば
その問題に対処する姿勢が強く出ているように思います。
これに対して体言を修飾している「の」は
「人口増加」より「警鐘」に重点が置かれているような気がします。
これが「人口増加への」 と 「への」になれば
「に」と同様の強い意識が感じられます。
上手く説明できませんが、ご意見を伺えれば幸いです。
『に』を使う場合のご説明は、私も同感です。
ただ、『人口問題の警鐘を鳴らす』『人口問題への警鐘を鳴らす』の両方に、
私は違和感を覚えます。(違和感を覚えるかどうかは、個人差によると思います。)
おっしゃるとおり、『人口問題への警鐘を鳴らす』の方が
『人口問題へ警鐘を鳴らす』より落ち着きがよいとは思いますが、
私が外国の方が書いた文を添削するのなら、 『に』を使う文にすると思います。

Miyajima
日 本
155
質問なのですが、下記はおかしいでしょうか?
A:「日本という国にあることを感謝する」
「感謝する」ことの目的に対しては「に」を使うのが正しい、すなわち
B:「日本という国にあることに感謝する」
が正しいと思うのですが、
これだと「国にあることに」と「に」が二つも重なるので
語呂が悪いように感じます。
そこでAのように「を」を使ってみたのですが、
やはり文法的におかしいのであれば、
語呂が悪くてもBとしなくてはなりません。
『〜に感謝する』『〜を感謝する』についてですが、
『〜に感謝する』の方が使われることが多いのですが、『〜を感謝する』もOKだと思います。

『〜に感謝する』は、ほとんどどんな場合でも使えますが、
『〜を感謝する』は、使えない場合があります。
例: 『自然を感謝する』×
『山田さんを感謝する』×等
『を』の前には、何らかの行為が来ることが多いように思います。

ご質問の文では、『に』でも『を』でも、私には違和感がありません。
助詞を重ねないほうが良いかもしれませんが、
この場合だと、助詞を重ねても、それほど苦にならないようにも感じます。
それでも、私はこの場合『を』を使うでしょう。 特に理由はなく、好みの問題かと思います。

中 国
日本語歴:3年
154
以下のセンテンスについて、 「が」の使い方が正しいですか?

実は、「あなたを思い出した」と言いたいですが。
「あなたが思い出した」とは言えますか?
ここで、「あなた」を強調したいですが、
やはり、「は」でいいですが、「が」は使えないですよね?
つまり、強調したかったら、「あなたは思いました」とはいえますね。
ただ、日本語学校の友達から、
彼らの先生が、「が」でも使えますって教えてくれたので、
どうしても、正しい答えが知りたいです。
》  実は、「あなたを思い出した」と言いたいですが。
》  「あなたが思い出した」とは言えますか?

いいえ、言えません。
「あなたを思い出した。」では、『思い出した人』は『私』、
「あなたが思い出した。」では、『思い出した人』は『あなた』になります。

》  ここで、「あなた」を強調したいですが、
》  やはり、「は」でいいですが、「が」は使えないですよね?
》  つまり、強調したかったら、「あなたは思いました」とはいえますね。

いいえ、こちらもNGです。
「あなたは思い出した。」では、『思い出した人』は『あなた』になります。
この例では、『を』を『が』にも『は』にも置き換えることはできません。

aiko
日 本
153
私はオーストラリアに在住している日本人です。
今こちらで、日本語を個人的にですが頼まれて教えております。

日本語の教科書にある「〜があります」の項で、
「〜さんは、兄弟が何人ありますか」という質問があります。
これに対しては、「〜人あります。妹と弟です」でいいと思います。

そこで、自分自身で自己紹介をする際の質問です。
私はどこの出身で、家族は何人でといった話の中で、
「私には、弟と妹があります」 「私は、弟と妹があります」
いずれの言い方が正しいのでしょうか?

また、「あります」よりも「います」の方が
より慣用的に使われていると思いますが、どうでしょうか?
正しいか正しくないかの問題ではないように思います。
どちらも状況によってはOKではないでしょうか。

『あります』と『います』とどちらを使う人が多いかは、
調査したことがないので、何とも申し上げられませんが、
どちらを使っても問題ないと思います。

chie
日 本
152
少し前から中国語を習いに講座に通ってます。
そこの中国人の先生から聞かれたのですが、
”今日は二回目です”と”今日で二回目です” ”は” ”で” の使い方を
教えてと言われたのですが、どのように答えたらいいのか解りません。
文法的に外国人に解る様に説明するには、 どうしたらいいのでしょうか?
「今日は二回目です。」という場合、『二回目』ということだけを意識しています。
「今日で二回目です。」という場合、『一回目』も意識しています。

もっと文法っぽく言いますと、 『は』は主題を表し、 『で』は期間の区切りを表します。

kota
日 本
151
助詞「が」と「で」の使い分けについて質問します。
「それは会社【が】面倒をみます。」
「それは会社【で】面倒をみます。」 これは、どちらもOKだと思います。
しかし、 「それは私【が】やります。」 と言うことは可能ですが、
「*それは私【で】やります。」 と言うことは出来ません。
これは、助詞「が」と「で」に何か違いがあるからでしょうか?

私が通っている大学に留学生が通っていて、
「それは私がやります」と言うべきところを
「それは私でやります」と言っていたので
少し疑問に思ったのです。
よくよく考えてみると、 「それは会社で面倒をみます」 とは言えるので、
どうしてかなと疑問に思いました。
「それは私達でやります。」や 「それは私の方でやります。」だとOKですね。
『私の方で』と言う場合、私一人でやるのではなくて、
『私』と周囲の人とでやるということだと思います。

『が』は、そのものズバリ動作主を表しています。
『で』は、動作する場所
(この場合は複数の人間関係、あるいは人間関係が存在する場所)を
表しているように思います。



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