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待遇表現(12)
中 国
日本語歴:5年
120
『申します』と『申し上げます』の使い分けについて教えて下さい。
自己紹介するとき、「○○と申します。」とは言っても、
「○○と申し上げます。」とは言いません。
なぜ、自己紹介のとき「○○と申し上げます。」というと
間違いなのでしょうか。
自己紹介のときの「○○と申します。」は、聞き手を敬った言い方です。
「○○と申し上げます。」という場合は、例えば
「今上天皇の第一皇子は、徳仁と申し上げます。」のように、
聞き手ではない話題にのぼった人を敬っています。
ですから、自己紹介で「○○と申し上げます。」というのは、間違いになります。

日常生活では、「○○と申し上げます。」といった言い方は
余り耳にしないように思います。

田 原
日 本
119
職場の同僚がいつも電話で
「ご無理を申しましてすみません」と言うのですが、
これっておかしくないでしょうか?
自分が「申す」無理なことに「ご」をつけるなんて…
どう言うのが正しいのでしょうか?

どんな言い方だったら、「ご無理」と「ご」をつけても
私はおかしくないと感じるのか、考えてみました。
1.「ご無理をお願いしまして…」
2.「ご無理をお引き受け下さいまして…」
3.「ご無理とは存じますが…」
のように、「ご無理」が相手にかかる言い方だったら、
許せるような気がします。
私は二通り考えます。

『申している人』が『申していること』を、『客観的に無理なことだ』と 思っている場合は、
「無理を申してすみません。」となるでしょう。

『申している人』が相手の立場に立って考えた場合、
『きっと無理なんだろうな』と思ったり、 あるいは、遠慮の気持ちがあったりする場合は、
「ご無理を申しましてすみません。」としても、おかしくないように思います。

いろいろなご意見があると思いますので、
次回の日本語調査で、皆さまのご意見を伺ってみたいと思います。

zhang
中 国
日本語歴:5年
118
日本語では、「あなた」はどのくらいの範囲にまで使えるのですか?
『あなた』は、本来目上の人あるいは対等な人に使う敬語だったのですが、
いつのころからか、目上の人に使うと失礼な言葉になってしまいました。
目下の人に使うのはOKですが、対等の人にとなると微妙です。
対等な人に使うと『よそよそしい』感じがするので、
多くの場合、その人の名前で呼ぶことが多いように思います。
これ、あなたの傘?

これ、山田さんの傘?
でも、名前を知らない人には『あなた』と呼ぶしかありません。
また、夫婦間では妻が夫を『あなた』と呼んだりします。

Mami
日 本
117
「されます」と「なさいます」の違いについて教えてください。
部長が出張されます。
部長が出張なさいます。
私なら「部長が出張されます」と言うと思います。
「なさいます」だと、少し違うような感じがするので。
『なさいます』『されます』は、両方とも『します』の尊敬語です。
どちらを使っても問題ないとは思いますが、
『なさいます』の方が『されます』よりも敬意が高いという意見があります。

コットン
日 本
116
例えば、母の兄を他人に言うとき母方の兄が正解でしょうか?
私は、今まで、母方の叔父が正解だと思ってました
ネットで調べるとどちらも正解に思えます
ご教授お願いします
正解と言いますか、とにかく相手に誤解がなければよいわけです。
私は、『母の兄』あるいは、『母方の伯父』と紹介します。
母の兄なら『伯父』、母の弟なら『叔父』と表記が違います。
でも、発音は同じ『おじ』ですから、聞いただけではどちらか分かりません。
母の兄であって弟ではないとはっきりさせたい場合は、 『母の兄』がいいと思います。

RIKO
日 本
115
私は、日本語やビジネスマナーを教えてい ます。
今日、同僚の先生と疑問に思って話したことを質問させていただきます。

「来る」の尊敬語は
「おいでになる」「いらっしゃる」
「お越しになる」「お見えになる」…などいろいろとあり、
「○○さんがおいでになりました」「いらっしゃいました」
「お越しになりました」「お見 えになりました」という使い方はしますが、
依頼するときの表現の
「おいでください」「いらっしゃってくださ い」「お越しください」は
わりに使い慣れているのに
「お見えください」という表現はあまりしないのではないか、
という話になりました。

私は「お見えになってください」「お見えください」という言葉は
自分では使ったことが ありませんが、
同僚の先生はそれほど違和感がないそうです。

私が考えたのは、
「お見えになる」という言葉の語源がもし「見える」であれば、
視界に自然に入ってくるのが「見える」という状態なので、
「誰かが来る」という状況が目に入る、という意味で
「お見えになる」という表現をするのに対し、
「お見えくださ い」であれば わざわざその状況を作るようにお願いしており、
「自然に視界に入る」という状況ではなくなるので
依頼表現として使うと変な感じがするのではないか、
ということなのですが… でも視界に入るという意味の「見える」であれば、
その動作主は「私」になってしまいますね…
私の知人に「お見えください。」という人がいます。
最初は驚いたのですが最近慣れてしまって、そういう言い方もあるのかと思うようになりました。
でも、やはりおかしいと思っています。

『お見えになる』という言葉は、『見える』から来ていると思います。
見える→「お客さんが見えました。」
『見えました』で敬語だとされています。でも考えたら、そもそもここから変ですね。
更に敬意を高めると、「お客さまがお見えになりました。」 になるんですね。
でも、私も『見えました』を違和感なく敬語表現として使っています。

「お見えください。」を使う人は、少数だと思いますし、
日本語指導の場では、「使わない言い方だ。」とはっきり言います。

RIKOさんのご説明は、とても分かりやすく私も同意見です。

mamahiaka
日 本
114
「結構です。」は謙譲文にふさわしいですか?

中学校で執行部役員をしております。
この度、バザーの協力品をお願いするのに保護者に手紙を出します。
常時受け付けさせて頂く旨の文面で
『尚、上記以外の日でも学校までご持参いただいて結構です。
PTA会議室が開いている場合はPTA役員に、
開いていない場合は 教頭先生にお渡し願います。』

この文章の中の「ご持参いただいて結構です。」のところが
少し気になりましたので、
ご意見頂ければと思いお聞きした次第です。
「尚、上記以外の日でも学校までご持参いただいて結構です。」
これが謙譲文であるかどうかですが、
『結構です』はさておき、
『ご持参いただいて』とあるので謙譲文と言えるとは思います。
しかし、『〜て結構です』というところにひっかかります。
『〜て結構です』という言い方は、
ともすれば「勝手にやってください。」というニュアンスを持ってしまいがちです。

「ご持参いただいても結構です。」と『も』を入れると、
このややもすればきつく響く言い方が、和らぐように思います。
前半の部分に『も』が入っていますので、ちょっと手直しして、
「尚、上記以外の日に学校までご持参いただいても結構です。」
とすれば、どうでしょうか。

北 川
日 本
113
(車等に)「乗る」という動詞の謙譲語についてなのですが、
私の部署にある研修ビデオ
(元NHKアナウンサーの相川浩さんが監修したもの)のなかで
「乗せていただく」が正解として紹介されていました。
私は「乗らせていただく」が正解だと思っていたので
「あれっ」と思いました。

部内の人たちに聞いてまわったのですが
「乗らせていただく」が
使い方として間違っているのかどうかが分かりません。

「乗らせていただく」という言い方が不適切なのか、
あるいは使用可能な表現なのかどうか 教えていただけないでしょうか。

・・・個人的な印象では 「乗らせていただく」になると、
例えばもう、上司の車に片足ぐらい入れているような雰囲気があります。
「乗せていただく」にはそのようなニュアンスがないように思います。
『使役形のて形+いただく』は、
違和感を持つ持つ人と持たない人とあり、 それも場合によることであり、
違和感を持つかどうかは、
かなり個人的なもの(年齢とか、住んでいる地域とか、個人の感性とか)だと思っています。

人が車に『乗る』(自動詞)←→人を車に『乗せる』(他動詞) という関係があるのですが、
この他動詞『乗せる』は、『人を車に乗るようにさせる』という意味です。
『車に乗る』の使役形は、『車に乗らせる』なのですが、 『車に乗せる』も意味は使役です。

『乗る』の謙譲表現は『乗せていただく』を使うことが慣用的だというか、一般的だと思います。
ご質問にあった『車に乗らせていただく』が使用可能な表現かどうかについて、
私見ですが、別に使ってもいいんじゃないかと思っています。

『乗らせていただく』という言い方は、
例えば『相談に乗らせていただく』のように使うこともあり、
私自身の耳には、馴染みがある言い方です。

『車に乗らせていただく』を使っても、意味の取り違えは起こらないだろうし、
言われた人が不愉快に思うようなこともないような気がします。

北川さんの使い分けは、今のところ私にはピンとこないのですが、
少し考えてみようと思っています。

ひまわり1号
日 本
112
会社で上司にメールで報告をする際の言い回しについて
疑問がありましたのでメールしました。

後輩
(40代)は
(30代)は
「ご報告します」
「ご報告しておきます」
「お伝えします」派、
「お伝えしておきます」派です。
(後輩のメールの場合
 「一応ご報告しておきます」という 使い方もよく見かけます)

上司への報告については 「〜しておきます」 というのは
語気も強いような気がするし、失礼ではないのかというのが私の意見です。
一方の後輩はというと、
「語気を和らげるために」あえて 「〜しておきます」 という表現を
使っていたといいます。

「〜しておきます」というのは
その後に「が」や「けれど」が隠れているようにも感じ取ってしまいます。
例) 「一応ご報告しておきます」(が・・・)
「念のためお伝えしておきます」(けれど!) というように、
報告したらもう免責、というメッセージのような印象に
受取れてしまうのです。
私の感じ方がおかしいのでしょうか。
『メールでの報告』の最初にくる文なのですね。
だとしたら、私も「ご報告します。」「お伝えします。」派です。
「ご報告しておきます。」「お伝えしておきます。」というのは、 失礼な感じがします。

理由は、ひまわり1号さんのご意見に賛成です。
おっしゃるとおりだと思います。

「一応ご報告しておきます」というのは、更に失礼だと思います。

考え方はいろいろなのだと、改めて思いました。
次回の日本語調査で、皆さまのご意見を伺ってみたいと思います。

RIKO
日 本
111
ドラマの中で「ちょっと、およろしいですか」という表現がありました。
「おうかがいしてもよろしいでしょうか」
「お時間をいただいてもよろしいでしょうか」
ぐらい意味の、許可を求める言い方だと思うのですが、
「よろしいですか」に「お」をつけるのに違和感がありました。

そういえば、たまにデパートなどで使っている店員さんなども
いらっしゃったかな、と思います。
あまり連発されるとかえってやりすぎのような気もします。

ネットで検索したところでは、
やはり違和感を感じるかたもいらっしゃるようですが、
普通に使用しているかたもいらっしゃいました。

「いいですか」を丁寧な表現にするのだとすれば
「よろしいでしょうか」で十分だと思うのですが。

お忙しいところ恐縮ですが、教えていただければ幸いです。
ナ形容詞、イ形容詞に『お』をつけることは、基本的にはOKであっても、
場合によっては違和感があるということなのでしょう。

私が違和感を持たない例としては、次のようなものがあります。
「おきれいなお嬢さんですね。」
「おつらいでしょうけれど、ーーーー。」

でも、私も「およろしいですか。」とは言わないように思います。
おっしゃるとおり、「よろしいでしょうか。」で充分だという気がします。

また、RIKOさんも使っておられる「お忙しいところーーーー。」
というのは、私もよく使います。
職場で、「今、お忙しいですか?」と声をかけられることもあります。

ご質問の件に関しては、個人の好みの問題ではないかと思います。
次回の『日本語調査』で皆さまのご意見を伺ってみたいと思いますので、
しばらくお待ちいただけますか。



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