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 文の構成(15)
猛 暑
日 本
150
身近にいるアメリカ人から、『踏んだり、蹴ったり』は間違いで
正しくは『踏まれたり、蹴られたり』ではないか?と聞かれました。
とっさのこと、「そんなこと考えたことない。」とドギマギしてしまいました。

それで、「考えたらそうだね。間違いに気が付くなんて凄いね。」と
褒めたのですが、なんだか小骨が喉に引っ掛かっているような気分です。
『踏んだり、蹴ったり』は、本当に文法上の間違いなのでしょうか。
私が日本語教師を目指して勉強していたころ、誰かからこの話を聞いたことがあります。
記憶の糸を手繰ってみると、戦国時代のある武将(織田信長か?)の家臣が、
主君が大切にしていたものを誤って『踏んだり、蹴ったり』してしまい、結果、切腹させられました。
それで『踏んだり、蹴ったりして、ひどい目にあった』が、『悪いことが重なって、ひどい目にあった』
という意味で使われるようになったとか・・・・・・。
まぁ、もしこの語源が本当なら、『踏んだり、蹴ったり』は文法上の間違いではないことに、なりますね。

いずれにしても、『踏まれたり、蹴られたり』は言い難いので、『踏んだり、蹴ったり』と言ってしまいますね。

よい子
日 本
149
日本語を教えるとかではありませんが、ふと思ったことを質問します。
(『質問させていただきます』の方が良いんでしょうね)

国会答弁で「申し上げさせていただきたい。」と聞いて、イラッとしました。
樹さんは、イラッとしませんか?
「申し上げたい。」「申し上げます。」で良いと思うのですが、
どうしてこんな舌を噛みそうな言い方をするんでしょうか。
どうして?というのは、ご本人に聞いてみないと分かりませんが、私見をお話ししますね。
『~させていただきます』という言い方は、流行というか、最近多く使われるようになったと思います。
この言い方が、今後定着するかどうかは分からないのですが、とりあえずよく聞きますね。

私もイラッとします。
『申し上げさせていただきたい』は、『へりくだっている』ように聞こえますが、
実質断固とした意思を真綿で包んでいるように、私は感じます。

「申し上げたい。」ときたら、続いて「よろしいでしょうか?」と聞いてほしいです。
「申し上げます。」は、はっきりした意思の表現で、私にはこれが一番聞いて心地良いです。
同じことを言うのなら、できるだけ短く言ってほしいです。

ご質問があったので、なんとかお答えしていますが、私も再近『~させていただきます』を乱発しています。

保 泉
日 本
148
福祉現場や医療現場では「名詞の省略」や「助詞の省略」「体言止め」などが
多く見られるように思います。
今後、外国人の受け入れを見据えると、なるべく基本に則った表現を使する
習慣を付けていく必要があると感じています。

1)●月●日に、●●様が、●●病院の神経内科を受診する予定です。
2)●月●日●●様、●●病院神内受診予定。

【質問1】
「2)のように助詞を省略するのが好ましい場合と好ましくない場合はあるのか?」
と言う質問があった場合に、樹さんはどう答えられますか?
保泉自身がこれに回答できずモヤモヤしています。
「1)は読みやすいが、書く手間がかかる。2)は書きやすいが、読みにくい。」という
相互の一長一短がある。情報共有を第一の目的と考えると、
書きやすさよりも読みやすさを優先させるために、なるべく1)を用いるよう
職場の方針を決めるというルール作りを行うのがベターなのかな・・・と思います。

【質問2】
「神経内科」を「神内」と省略することは日常的にありますが、
文法的にはどのような説明になりますか?

【質問3】
「軟膏を塗布する。」というのが「軟膏塗布。」というように変化し、
助詞の省略+体言止めとなるような構成には「複合名詞熟語(?)」などという
学術的な呼び方はあるのでしょうか?
樹さんは、日ごろどのように説明しておられますか?
私は、福祉現場や医療現場を知らないし、学術的には詳しくないので、ご希望に叶うようにお答えするのは
難しいのですが、外国人の受け入れという点と私見を、少し述べさせていただきます。

【質問1】について
どちらが好ましいか?とご質問を受けたら、『どちらでも良い』あるいは『分からない』と答えます。
日本語を専門に勉強していて、習得が進んでいる外国人が対象なら、省略なしの文で示したいです。
日本語学習に困難を感じている外国人学習者には、その限りではありません。

私個人は、書く場合も読む場合も簡潔な省略のある方を好みます。

【質問2】について
外国人に日本語を教えるとき、文法用語は最小限にします。
日本人に国語を教えるときと外国人に日本語を教えるときとでは、この2者は似て非なるものです。

「文法的にどういう説明になりますか?」というご質問には、お答えすることができません。
チリのサンチャゴ大学で教えていたとき、
学生は木村拓哉→キムタク、松本潤→マツジュン、自動販売機→自販機
だと、すでに知っていました。
そして、「日本語は短くすることが多い。」とも知っていました。
『神内』というのは、私には初耳なのでわからなかったのですが、
『神経内科』だと皆さんがご存知なら、使って問題ないと思います。

【質問3】について
日本語指導をするとき、『複合名詞』という言葉を使ったことがありません。
国文法は『学者の数だけ諸説ある』と言われています。
学校文法は、文部省が決めたものがあるかと思いますが、
学校文法から離れて長いし、何ともお答えできません。

Aki
日 本
147
プロではございませんが在宅で校閲をしており、日本語には興味を持って接しております。

ライターの方が「弊社はお客様のお力になります。」と記載している箇所があったのですが、
このような表現は可能なのでしょうか。

私としましては、「お~になる」の表現は「お話しになる」「お帰りになる」のように「〜」の部分
に動詞の連用形を入れて使用するものだと考えておりました。
しかし今回は「力」という名詞であるため非常に違和感があり、誤りとしてライターの方に
お伝えしました。

するとライターの方から「これまで『お力になります』を指摘されたことがないので詳細を
教えてほしい」とメッセージをいただいたため上記の見解を述べ、
その上で社員の方に使用の可否を伺ったところ、
“例に挙げていただいた「お話しになる」「お帰りになる」は
相手の行為を指す尊敬語の表現です。
「お力になる」は自分が誰かの手助けをする「力になる」を丁寧にした
丁寧語の表現だととらえております。
「お力になれず申し訳ありません」等と日常で耳にする機会もありますので、
ライティングに使用しても問題ないのではないかと思います。“

との回答をいただきました。
しかしそれは「お力になれず~」と後ろに言葉が繋がる場合で、「お力になります」
という言い切りの形ではありません。

これ以上議論を引き延ばしてもと思いそれで承知したとは返信したものの、
やはりモヤモヤいたします。ちなみに、実は一般的に使われている語なのか、
私が知らないだけなのかと不安になって「お力になります」で検索してみたところ、
使用しているサイトがちらほらとヒットいたしましたが、いまいち納得できません。 

そこで、メールを送らせていただきました。どうぞよろしくお願いいたします。

おっしゃるように「弊社はお客様のお力になります。」は、若干上から目線だというか、
押しつけがましいというか、人によっては違和感があるかもしれません。

何かに困り果てている人が、「弊社はお客様のお力になります。」と言われれば
すがりつきたくなるかもしれません。だから、この言い方には問題があるとも言えます。

では、どう言えばよいかですが、「弊社はお客様のお力にな『れ』ます。」ではどうでしょうか。
更に「弊社はお客様のお力になりたく存じます。」等いろいろあるかもしれません。

「お力になれず申し訳ありません。」は問題ないと思います。

みやポン
日 本
146
英語の文章で、it is not always quite 'as simple as it sounds.'というのがあって、
'見た目ほど簡単ではない'、という意味でかいてあったのですが、
この、見た目ほど〜ではない、という、視覚を使った表現でなく、
同じ意味で聴覚を使った表現はありますか?
噂ほどでもない、という表現を思ったのですが、
別に噂にはなっていないのでどうしたらいいのだろうと思いました。
私見ですが、そして余り聞いたことはないのですが、以下の文例など可能ではないかと思います。
例えば、
(1)友人から、「あの蕎麦屋は美味しい」と聞いたので  行ってみたのですが、聞いたほどではありませんでした。
(2)友人が、「あの蕎麦屋は美味しい」と言っていたので 行ってみたのですが、話ほどではありませんでした。

これも私見ですが、自分の気持ちにぴったりきて、受け手に誤解が生じない表現なら、
自由に使っても良いのではないでしょうか。

紅葉
日 本
145
テレビを見ていたら、ある人物(社長)が会見をしていて、
「警察の方に行かせていただきました。」と話していました。
「警察に行きました。」で良いのではないかと思うのですが、
どうしてこんな回りくどい言い方をするのでしょうか。
「警察に行きました。」では、何か問題があるのでしょうか。
少しイライラします。
尊敬語・謙譲語は、使っていると敬意が目減りしてくるので、ついつい過剰になってしまう、
ということなんでしょう。

『警察の方に』は、文句なく『警察に』が良いと思います。
『行かせていただきました』は、状況によってはこの言い方になるでしょう。
例えば、会社員が勤務時間中に警察に行く用事があって、
上司の許可を得て行く場合は、『行かせていただきました』と言うのが、適当です。

問題は、許可を得る必要がない状況でも『させていただきます/ました』が乱発される傾向があることです。
これには、私もイラッとっすることがあります。
でも、何年か経ってもこの言い方が生き残っているかどうかは分かりません。
とにかく状況にもよりますが、私自身は「警察に行きました」と言うようにしたいと思っています。

ダイナ
チ リ
日本語歴:5年
144
「サンチャゴにいたとき以来、映画館に行っていません。」という文で   
どうして「いたとき」を使いますか? 「 て形」を使いませんか? 
「サンチャゴにいて以来、映画館に行っていません。」は、間違いですか?
『いる』は、継続を表す動詞ですから、『以来』の前に、『いる』が来ると不自然になります。
「サンチャゴにいて以来、映画館に行っていません。」は、自然な日本語ではありません。

ですが、次の場合ならOKです。
「ポマイレでエンパナーダを食べて以来、もうずっと エンパナーダを食べていません。」
「サンチャゴで映画を見て以来、映画館に行っていません。」

FUMI
日 本
143
今年の5月から日本語ボランティア養成講座に通っておりますが、
まだまだ手さぐり状態で毎日頭を悩ませています。

みんなの日本語 初級1 16課
「~て、~て、それから~」(3文を1文に)と『~てから、~」(2文を1文に)の文が出ています。
3文の場合、「それから」は最後に入ります。

「~てから、~」が3文になるときは、どちらでもいいのでしょうか。
それとも「~てから、~」は、前後関係を明確にする表現なので、2文を繋げる場合だけで、
そもそも3文はないのでしょうか。
日本語では、文の接続にいろいろなバリエーションがあります。
3文はおろか、4文でも繋ぐことができます。
*晩ごはんを食べて、テレビを見て、お風呂に入って寝ます。
*晩ごはんを食べて、テレビを見て、それからお風呂に入って寝ます。
*晩ごはん食べてから、テレビを見て、お風呂に入って寝ます。
                             等
それぞれニュアンスは微妙に違いますし、『、』のありなしでも違ってきます。
『みんなの日本語』は、日本語を学び始めた外国人のための教科書で、
まずは、贅肉を削ぎ落した骨組みとなる文型だけを紹介しています。

特に初級の学習者さんには、厳選して教えることがとても大切なことです。

日本語教師A
日 本
142
自宅で日本語を教えているのですが、どうしようか迷うことがあります。
「明日雨と思います。」は、正しくは「明日雨だと思います。」が正しいと思うのですが、
かなり日本語が上手な学習者に、『だ抜き』が多いのです。
直した方が良いのか、意味の取り違えはないので、このままで良いか、
どう思われますか?
うーーん。『だ抜き』の学習者さん、結構多いですね。
私も『だ抜き』はとても気になるのですが、最近アナウンサーでも『だ抜き』があることもあると気が付き、
学習者さんのタイプによっては、直さないことも多いです。
正確な日本語を学びたいと願う人。細かく直されることが嫌いな人。学習者さんはいろいろです。

日本人でも『だ抜き』は多いですし、私もうっかりそうなっているかも知れません。
ただ、文型を初めて導入するときは、しっかり「明日雨だと思います。」と指導しています。

孫イクガ
台 湾
 日本語歴:5年
141
「ホテルや旅館で宿泊するのもいいけど、自然の中でテントを張って寝るのも
また違った楽しみがありますよね。」

この文の中で、「違った」を「違う」に変えてもいいですか。
どうして「過去形を使いますか?それを言う人の経験という表現ですか?

教えていただけませんか?
『た形』は、過去形だと学習されたのかと思います。
日本語の時制は、『現在、過去、未来』ではありません。
日本人でも、『現在、過去、未来』だと思っている人が多いのですが、
それは、英語を勉強したとき、英語の時制が『現在、過去、未来』だったので、日本語もそうだと
思い込んだのではないでしょうか。

日本語の時制は、『完了したか、完了していないか』です。
『た形』が学習項目として出てきたとき、『過去形』だと教える日本語の先生も多いかと思います。
それが問題だというわけではありませんが、
学習が進んだ時点で、日本語の時制は『完了したか、完了していないか』だと説明したほうが良いのでは?と思います。

「違った楽しみがありますね。」「違う楽しみがありますね。」は、どちらもほとんど意味は同じです。
でも、『違った』を使ったほうが、『違う』を使うより断言する感じが加わって、意味が強くなります。
それは日本語の時制の感覚によるものです。




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