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待遇表現(1)
ハリケーン
日 本
10
先日国会中継をテレビで見ていたら、
議長が「野党の諸君を出席いたさせます。」と言っていました。
なんという日本語!!
いったいなんなんでしょうか。
おかしいですよね。
『いたします』は、謙譲語ですから、ここで使うのは不適当です。
議長はなんと言いたかったのでしょうか。
「野党の諸君を出席させます。」ーーこれでは高圧的ですね。
「野党の諸君に出席して貰います。」ーーこれでは哀願調で議長の権威はありません。
で、中間的な雰囲気を出すために「野党の諸君を出席いたさせます。」
これだと『させます』で議長の権威が守られて、『いたします』で高圧的な雰囲気が
緩和されますね。
うーん、苦しい選択なんですね。

山
日 本
9
私が保険の外交員をしていたとき、スウェーデン人の
とっても覚えにくい長ーい姓のお客様がありました。
ある時、奥さん(日本人)のことを「K子様」と呼んだところ、
「妻とは親しい間柄ではないのだから、ファーストネームで呼ぶのは失礼だ。」
と叱られてしまいました。
慌てて謝ったのですが、そんなに失礼だったのでしょうか。
んーーーー。
失礼だったかどうかは、相手次第ですからね。
『様』をつけたのですから、失礼じゃないと思うのですが、
『様』の意味が理解されなかったのかもしれませんね。
そうですかぁ!ちょっと考えてしまいます。
『奥様』と呼ぶのが無難なんでしょうね。私も気をつけます。

ハ ム
日 本
8
「ご苦労さまです。」「お疲れさまです。」
といった挨拶に使いわけは、ありますか。
はい、使いわけがあります。
「ご苦労さまです。」は、自分より立場が低い人に対する労いの言葉です。
会社での上司などには、「ご苦労さまです。」とは言わないと思いますが、
最近はそうでもないかもしれません。言葉というものは、変わりますからね。
でも、無意識に「ご苦労さまです。」と言ってしまって、
相手が気分を害している場合もあるでしょうから、気をつけた方がいいですね。
「お疲れさまです。」は、会社の上司、同僚に使っても失礼にはなりません。

仕事上での労いの挨拶の場合、時間の推移も加味して考えたほうがいいかもしれませんね。
状況を細かく分けたらきりがないので、乱暴ですけど次の様にシンプルに分けてみました。
       立場が同等or上の人に 立場が下の人に
仕事を始める前 お世話になります ご苦労さまです
仕事の途中 お世話になっています
お疲れさまです
ご苦労さまです
仕事が終わった後 お世話になりました
お疲れさまでした
ご苦労さまでした
もちろん、立場が下の人に「お疲れさまです。」と言うのは、問題ないです。
相手が内の人間か、外の人間かとかでも違って来るんでしょうね。

私自身は「ご苦労さまです。」「ご苦労さまでした。」は、
どの人にも使わない様にしています。
うっかり使ってしまうことはありますけど。

お名前不明の方から、コメントを頂きました。
「お疲れさまでした」も、ねぎらいの言葉なので、私は目上の方には使いません。
タロさんから、コメントを頂きました。
先日テレビで「“お疲れさまです”はねぎらいの言葉なので
上司に使うのは間違い」と言っていました。
その話はそこで終わってしまったので「じゃぁ正しくはなんて言うの?」って
気になってしまいました。
ウチの社長は「目上に“ご苦労様”は間違い、“お疲れさま”と言え」と言っていました。
僕もそれでいいと思うんですが… 他にいい言い方があるんでしょうか?

[日本語調査結果(6)][日本語調査結果(9)]をご覧下さい。


黎さんからご質問を頂きました。
これから疲れる仕事をしに行く上司に対して、
部下は何と言って見送るべきでしょうか?
うちの職場では、次のような会話をよく耳にします。
上司 「会議に行ってきます。」
部下 「ご苦労様です!」
上司に対して『ご苦労様』は失礼だと思うのですが、
かといって、この場面で『お疲れ様です』と言うのも変です。
これから疲れる事をしに行くのであって、まだ終わっていないのですから。
では『行ってらっしゃい』ならどうか? これも違和感を感じます。
何だか、家庭で奥さんが見送りしているみたいで、職場らしくない。
もっと、職場らしくて良い表現はないものでしょうか?
それとも、この様な場面に限っては相手が上司であっても
『ご苦労様です』で良いのでしょうか?

[日本語調査結果(42)]をご覧下さい。

あ ゆ
日 本
7
どうしても気になる言い回しがあって、投稿させていただきます。

会社で外からの電話を受け、伝言をたのまれたときに
相 手:「〜とお伝えください」
わたし:「承りました」or「かしこまりました.伝えておきます」
と答えていますが、隣の女性は
相 手:「〜とお伝えください」
女 性:「お伝えしておきます」
と。
伝えるのは自分だし、伝える相手は自分の会社の人だしって思うと
違和感を覚えます。
(「お伝えします」だと少し違和感は減るのですが、どうして減るのでしょう?)
どなたかわたしの違和感を取り除いていただけないでしょうか。
「承りました。」「かしこまりました。」は、美しい日本語ですから問題ありませんね。
問題はこちらです。
電話をかけてきた人:「〜とお伝えください。」
その電話を受けた人:「お伝えしておきます。」
ここにもう一人『メッセージを伝える相手』という人物が絡んでくるので
話がややこしくなるのでしょうね。
電話をかけてきた人:「〜とお伝えください。」ーーー尊敬語
『電話をかけてきた人』が『その電話を受けた人』に敬意を払っています。
その電話を受けた人:「お伝えしておきます。」ーーー謙譲語
この場合、敬意を払う相手が、二通り考えられます。
(1)『その電話を受けた人』が、『電話をかけてきた人』に敬意を払っている。
   『伝える』は、『何かを経由して事物・言葉等を移動させる』ことです。
   『電話を受けた人』は、自分を経由してメッセージを『電話をかけてきた人』から
   『メッセージを受ける人』に移動させるのですから、
   『電話をかけてきた人』の存在を意識して謙譲語になるのではないでしょうか。
   ですから、「お伝えしておきます。」あるいは「お伝えします。」はOKではないかと思います。
   この考えに異論はあるとは思いますがーー。

(2)『その電話を受けた人』が、『伝言を伝える相手』に敬意を払っている。
   この場合、同じ会社の人間に敬語を使うということで、
   「お伝えしておきます。」あるいは「お伝えします。」はNGです。

どちらも考えられると思うのです。どちらと思うか、それぞれなのではないでしょうか。
言葉というもの、受け取り方に個人差がありますからね。

次に『〜ておきます』という補助動詞ですが、意味が3通りあります。
(1)放置:(例)そのままにしておいて下さい。
(2)準備:(例)お客様が来るので、掃除をしておきます。
(3)措置:(例)読んだ本は、元の場所に戻しておいて下さい。
「お伝えしておきます。」は、(3)ですね。

私自身は、『〜ておきます』がついてもつかなくても特に違いを感じません。
でももし、あゆさんが違和感を感じられるとするならば、
『おきます』にどこか切り口上な雰囲気があるからかもしれません。
『お伝えして』という柔らかい雰囲気とミスマッチなのでしょうね。
「お伝えします。」だとミスマッチ感が軽減されるとかーー。
また、「伝えておきます。」だと『伝えて』も『おきます』も
両方ともキビキビした口調なので、違和感がないのでは、という気がします。
でもねぇー、やはり違いがないように思えます。

[日本語調査結果(47)]をご覧下さい。

ビ ル
アメリカ
日本在住:5年
6
日本語の『先生』は、職業をいう言葉ですか。敬語ですか。
元々は『職業』を表す言葉だったのですが、今は『尊称』にもなりましたね。
学校の『先生』、お稽古ごとの『先生』にたいして、教えてもらっている人が、
『XX先生』と呼ぶのはマナーでしょう。
でも、日本では『教える』仕事じゃない人も、『先生』と呼びます。
この点については、考えなければなりませんね。
政治家、弁護士、医師等。俗にいうエライ人。
他に美容院の一番の技術者や、薬局で薬剤師を『先生』と呼ぶことがあります。
美容院では、お客も「先生!」と呼んだりします。
もっとも、エライ人を含めこういった人たちは、ある意味では
教える職業と言えるかもしれませんけれど。

「政治家や、弁護士がお互いを『先生』と呼ぶのは、本当に不思議だ。」
という意見を、外国の方からうかがったことがあります。
更に、学校の先生がお互いを『XX先生』と呼ぶのは変だ、という考えもあります。
私も、この両方とも変だ、と思っています。

日本には、『先生と呼ばれるほどの馬鹿でなし』という言葉があります。
自分は『先生』と呼ばれて、嬉しがる人間じゃないですよ、という意味です。
エライ人を、『先生』と呼ばないと失礼になるかという反面、
こういう、からかうような考えもあるんですね。

私は、『教師・先生』以外の人に、尊称として『先生』を付けるのは好きではありません。
先生同士が、お互いを『先生』と呼びあうのも少し違和感を感じます。
それでも、『先生』をつけて呼ばないと、失礼になると思うことはよくあります。
『先生』と呼んだ方が人間関係がうまくいくと思うときは、
私も、『先生』を付けて呼んでいます。それが日本の習慣ですからね。

以前、学校の荒廃は、教師がお互いを尊称をつけて呼び合うことに慣れて、
一段エライ人間だと思うことに一因があるという投書を呼んだことがあります。
なるほどと思う部分は、ありました。
生徒・児童にとっては、『先生』ですけど。

[日本語調査結果(22)][日本語調査結果(23)][日本語調査結果(24)]
[日本語調査結果(25)]もご覧下さい。

ライち
日 本
5
ラジオニュースで、今日午後OO時ごろ、OOで、『男』が、
OO歳くらいと思われる『男の人』を刃物で刺し、逃げました。
刺された『男の人』の身元は、まだわかっていません。
警察が、逃げた『男』の行方を追っています。と言っていて少し笑えました。

『男』よりも『男の人』(または男性)の方が丁寧な言い方
だからこういう風に言うのが適当なんですか。
もとから『人』って丁寧な言い方に使うんでしょうか。
面白いですねぇ。なるほど!
そうですね。『男の人』の方が『男』より敬意が高いようですね。

そういえば、こんなことがありました。
アメリカ人の女性学習者さんに、「日曜日は、どうしましたか。」と聞くと、
「男が来ました。」
ムムムッ!
「その人は、知っている人ですか。」
「いいえ、新聞をすすめました。」
「『男』というと、不倫相手みたい。『男の人』って言いましょうね。」

日本語教育の世界では、例えば『日本人』『アメリカ人』『中国人』のように、『XX人』という
言い方は、侮蔑的であるという考え方も一部あるようです。
最近は、そうでもないようですけど。この場合は、『じん』と読むんですけどね。
だから、もとから『人』って丁寧な言い方に使うのかどうかまでは分かりません。
でももっと丁寧に言うときは、『男のかた』になりますね。

ヤヤ
台 湾
日本語歴:2年
4
日本語の勉強では、例えば「思う」という単語を敬語にしたら当然なことに
「思います」と教えられますが、學校で、周りの友達(日本人)が先生と
話しているときはほとんど「思うんです」を敬語として話しています。
聞いてみたら、それも敬語だといわれまして、どちらの方が正しいというか
先生みたいな人と話する時に適当であるのかが分からなくなってきました。
学校教育の敬語には、尊敬語、謙譲語丁寧語があります。
(日本語Q&Aでは『敬語』という言葉を使わずに『待遇表現』といっています。)
結論から言うと、『思います』も『思うんです』も丁寧語で、どちらもOKです。

尊敬語と丁寧語は、どう違うかお話します。
『思う』の尊敬語は、『お思いになります』『思われます』です。
一般に『です』『ます』を付けて話すのが丁寧語です。
一口でいえば、尊敬語の方が丁寧語より敬意が高いです。
先生が思った。→先生が思いました。→先生が思われました。
→先生がお思いになりました。  段々敬意が高くなっていきます。

「自分が思った。」というときは、丁寧語でいうしかありません。
「私は、思いました。」「私は思ったんです。」で良いですね。
それからこの『思う』ですけど、謙譲語はないようです。
謙譲語の公式『お持ちします』『ご紹介します』のように、『お思いします』というのは、
実際には、使わない言葉です。

先生は目上の人だから、いつも敬語を使うのがいいかというと、そうでもありません。
『よそよそしい』って言葉の意味がわかりますか。
あんまり敬語ばかり使われると、親しい感じがしなくなって、よそよそしくなります。
日本語の待遇表現(敬語)は、状況によってそれぞれが判断することなのです。
日本の学校で、先生と生徒が友達のように話しているのを聞いたことがあるでしょう?
それが良いか悪いかは、その先生と生徒の関係によります。

ヤヤさんが学校の先生に完璧な尊敬語・謙譲語で話したら、お友達はびっくりするでしょう。
話された先生も腰を抜かすかもしれません。

最後に、『思います』と『思うんです』の違いはといいますと、
『思うんです』の方が強い感情が入っています。私の気持ちを分かって欲しい、説明したい
とかいう感情です。「どうしたんですか。」と人に聞くときは、「どうしましたか。」と聞くより
知りたい、分かりたいという感情が強いのです。

Ryu
中 国
日本語歴:3年
3
以前日本語を習っていた先生から、「トイレに行かれてください。」という
言い方は、間違いだと聞いたように覚えています。
どうして間違いなのですか。
どこで、「トイレに行かれてください。」と聞かれたのでしょうか。
多分、ツアー旅行中だと思うのですがーー。
ツアーのガイドさん、添乗員さんは、「この説明を読まれてください。」
「8時までに食事を済まされてください。」といった言葉を使いますね。

『ください』は『くれ』の尊敬語ですから、
「読んでください。」「済ませてください。」でも尊敬表現だと言えるのですが、
「お読みください。」「お済ませください。」とすると、更に敬意が上がります。

そうなると『行く』の場合は、「お行きください。」となるのですが、
「お行きください。」よりは、「いらしてください。」の方をよく耳にします。
「お行きください。」「お行きになってください。」は、やや発音しにくいから
あまり使われないのかもしれません。
行く いらっしゃる → いらっしゃってください(いらしてください)
お行きになる → お行きになってください
行かれる → 行かれてください
上の表から考えると、『行かれてください』も間違いと言えないと思うのですが、
なぜか、『行かれてください』は、普段あまり耳にしません。
「受身形と間違われそうで使わない。」という考え方もあると思います。

でも、間違いなのかどうか、断言するのは難しいです。
敬意という点では、一番低いとも言われていますが、
『行かれてください』が一番きびきびした感じがあるように、私には思えます。
同じ日本語でも、社会環境で異なる独特の言葉があるのです。
私の個人的な意見ですが、ツアー時の説明などでは、『行かれてください』
が合理的なのかもしれません。

[日本語調査結果(14)]もご覧下さい。

o2ka
日 本
2
「これ私の奥さんです。」って、「これ、私のダンナ。」から
発生したんでしょうかね〜??「ダンナ」の場合、変な感じはしないけど
こっちは使い方としては正しいのかな?
伝統的には、女性の方が丁寧語・尊敬語等を多く使います。
ところが、近年『優しい人』がモテル世の中になったせいか、
男性も丁寧語を多く使う傾向があると言われています。
「これ私の奥さんです。」という言い方は、こういう傾向の表れじゃないかと思ったりします。

『ダンナ』って、もとは梵語からきた仏教用語ですね。
現代語としては、『夫』『お金を貢いでくれる人』の両方の意味があります。
夫もお金を貢いでくれる人ではありますけどーー。
「これ、私のダンナ。」は、おかしくはないけれど、フォーマルな言い方としては
感心しないかもしれませんね。
「これ、私のダンナサマ。」は、可愛い感じがしますけどーー。
いずれにしても、自分の家族を人に話すとき『さん』をつけるのは、
フォーマルな場合は避けた方がよいでしょう。
夫や両親のことを尊敬語で人に話すのは、天皇家ぐらいでしょうね。

陳
台 湾
日本語歴:1年
1
台湾で日本語を勉強したとき、『奥さん』という呼び方は、
他人の奥さんを呼ぶときに使うのだと習いました。
日本に来たら、「これ私の奥さんです。」
と日本人から紹介され、びっくりしました。間違いじゃないのですか。
自分の妻を『奥さん』と呼ぶのは、正しい待遇表現ではありません。
しかし、最近は若い人を中心に自分の妻を『私の奥さん』と呼ぶ人が増えてきました。
そして、それがおかしくなくなってきています。日本語の待遇表現も、随分変化してきています。



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